秋雨前線
しとしとと朝晩、静かな雨が続きます
虫の声は負けじと聴こえて参ります
栗平はそこかしこに薄の穂が豊かです
景色における色彩が急激に褪せて自然界に古色がふりかかります
夕方には草に露が小さな光を宿します
引いていく力
満ちていく月
褪せていく色
冷えていく床
乾いていく頬
秋は様々な想いがゆらめくように立ち上ぼり、葉先に凝る露のように固まり、乾くように消えていきます…
追えば儚く
手繰れば暖かく
これを秋思というのでしょうか
秋の自然を写し取った茶道具も、当然、ひときわ美しく清らかで寂しくもあります
強い禅語の軸に、かえって実在の優しさを感じます
稽古場に人影静か秋灯し ひかり
川崎市麻生区栗木台の茶道教室
星霜軒
seisou-ken.com