吉村昭の世界

吉村昭の世界_c0049825_321345.jpg作家、津村節子さんと写真を撮っていただきました。津村さんは荒川を代表する文人、作家吉村昭氏の奥様でもあります。

この日は、淡交会の研究会と大樋長左衛門(大樋窯10代)氏講演とも重なってしまい、最後まで迷いましたが、オペレッタ協会筋で知ったこの公演、抽選で入場制限されているものでしたので、手元にきたチケットを運命と思って、友人のjunjunさんをお誘いし、中野から一変、日暮里へと向かいました。渋谷から28分。山手線のほぼ反対側です。昨年来、急に北区、荒川区に縁ができつつある私です。

公演は素晴らしかった。構成も、演出も、穏やかに、寂として進行する中にも、故人への深い愛着と敬意が会場全体に漂っていた。かつて、このような公演を体験しただろうか?いや、かつてこんな三回忌を見たことがあっただろうか・・・?亡くなって後に、なお生き様を広く見せ続ける吉村氏は、今現在も確かに日暮里に存在していました。

日暮里と言えば「羽二重団子」。故吉村氏の好物でもあります。
夏目漱石の「吾輩は猫である」や、正岡子規の「道灌山」「仰臥漫録」「寒山楽木巻三」などや、司馬遼太郎「坂の上の雲」まどに、芋坂の団子の記述があるのは、みなこの羽二重団子の店のことであるらしい。夏目漱石は坊ちゃん団子といい、団子を小道具に扱うのが好きだったようだ。確かに、団子を食う時、人は普段かぶっている仮面をほんの少しずらして素顔を覗かせるものだ。

吉村昭の世界_c0049825_3154175.jpg公演:(三回忌追善)「吉村昭の世界」
日時:7月13日(日)
会場:日暮里サニーホール
主催:ACC(財団法人荒川区地域振興公社)
共催:荒川区 荒川区教育委員会
制作:財団法人日本オペレッタ協会




吉村昭の世界_c0049825_3172580.jpg=目次=
<第一部>
「梅の蕾」(『遠い幻影』文藝春秋・文春文庫より)
~珠玉の短編を一人芝居で~
出演:阿部六郎





吉村昭の世界_c0049825_318927.jpg<第二部>
お話と語り「炎と櫻の記憶」/『下弦の月』文春文庫より
吉村氏と少年時代から友達だった澤野さんが語る氏と、記録文学の原点ともなった下町大空襲の思い出



オペレッタ・ファンタジー『浅草・下町モダアン』
「百万人の合唱―幸福な朝―」(飯田信夫 作曲/佐伯孝夫 作詞)
「恋はやさしい野辺の花よ」(オペレッタ『ボッカチオ』フラッツ・スッペ作曲より)
「モン・パパ」(チャールズ・オーバーフェルト作曲/白井鐵造 作詞)
―オペレッタ『ジェロルシュタイン大公殿下 ブン大将』より―
(ジャック・オッフェンバック作曲/小林愛雄 訳詞)
「ブン大将閣下賛歌」
「あの方に伝えて」
「大勝利の歌」

「アマポーラ」(J.M.ラッカレ作曲)
「これがマドロスの恋」(w.r.ハイマン作曲/滝弘太郎 訳詞)
「唯一度の贈り物」(映画『会議は踊る』より W.R.ハイマン作曲/滝弘太郎 訳詞)
「これが下町」(オペレッタ『フラウ・ルナー 月光夫人』より パウル・リンケ作曲/滝弘太郎 訳詞)


吉村昭の世界_c0049825_3192944.jpg【出演】
バリトン:小栗純一
アルト:木月京子
ソプラノ:針生美智子
テノール:武井基治
ピアノ:柳津昇子

構成・演出・司会:寺崎裕則

終演後に、出演者(ピアニスト)であり、大切な友人である柳津さんと記念撮影。素敵なファミリー♪アフターはもちろん、羽二重団子で吉村氏を偲び、文学へ思いを馳せます・・・。グルメ課長もオススメのカフェ・HABUTAE。
吉村昭の世界_c0049825_3284513.jpg吉村昭の世界_c0049825_329381.jpg吉村昭の世界_c0049825_3292683.jpg







出演者の澤野さんは、羽二重団子さんの弟さんなのだそうです!?恐るべき逸話の多さ・・・侮れない、これぞ本物!の甘味です。もちろんお土産にお持ち帰りもしました。団子といえば、我が家には団子好きのDNAが・・・!そう、周君にも食べさせたいなぁ。
吉村昭の世界_c0049825_3302626.jpg吉村昭の世界_c0049825_330433.jpg吉村昭の世界_c0049825_33058100.jpg
by soukou-suzuki | 2008-07-24 03:14 | ザッツ★エンターテイメント!
<< 虫送り ぶつぶつ・・・ >>