2007年2月10日(土)この日、またしても初めて物語です。世田谷青山青年部の行事にお邪魔した私は、この日初めて、国立劇場小ホールで文楽を見ました。
人形浄瑠璃 文楽 第一部「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」 朱雀堤の段(しゅしゃかつつみのだん) 環の宮明御殿の段(たまきのみやあきごてんのだん) 公演に先立って、小ホール裏にある伝統芸能情報館の3階でレクチャーを受け、実際の人形を使って動かし方や仕組みを教わりました。 さて私は、行事の要綱と携帯電話の両方を家に忘れ、20分も劇場周辺をうろうろした挙句、公衆電話で新井さんの携帯へかけてようやく目的地へ辿りついたので、悔しくもレクチャーを聞き損ねてしまったが、人形の使い方では、実際に触らせてもれて大満足^^!しかし、一日経った今も、左腕と背中の筋肉が痛いくらい、人形は重かった・・・!(><; しっかし、こんな重いものをじっと掲げて、数十分、微動だにしないなんて・・・やっぱり男性の仕事。片手で腕立て伏せできるんじゃない? ・・・で、人形劇で泣いたかどうかですが、見事、泣かされました。最初のうちは、昨晩のオペレッタの軽妙洒脱さにくらべ、日本のお話のなんと重くて悲しくて暗いことか・・・とそのギャップに喘いでいましたが、いつしか大夫さんの声が若い女の声に聞こえ、それが人形の口から発していると認識するようになり、ふっと人形遣いの男性が見えなくなる時があり、わななき、震える人形が、感情を抑えても抑えても溢れ出す情念と戦っているようにさえ見えるのでした。 プログラムはカラー写真もあるのに600円と良心的。中にはお話の「床本」まで入っているので、手元でこれを開きながら大夫さんの声を聞けば、細かい言い回しの妙も聞き取れる。台本をプログラムに付けて売ってしまう舞台が、いまだかつてあっただろうか?!解説も丁寧で、ふりがなも満載!これはかなり普及に力を入れているに違いないぞ。観劇料は1500円~で、一等でも5700円。場内で軽食も可能だし、スペースはゆとりがあり、ロッカーも完備(数は少ないけど)。これは、なかなかよいデートコースになるのではないかしら?チケット売り場も親切で丁寧。(私は関係ない質問をしにいったのですが、対応はパーフェストに親切でした) 終演後は楽屋ツアーがあり、背の高い吉田幸助氏に舞台を案内していただけました!すご~い、国立劇場の舞台に上がってしまった!? 舞台には、1~3部までの大道具を設置する位置が、「安達原①土手」のように、白いテープで貼り付けてあり、既に2部の梅の花が設置されつつありました。背景と梅の前でパチリ(^^) ああ、聞き忘れた質問があった。「後継者不足に悩んでいませんか?」と聞きたかった。 伝統文化の世界は何処も同じ悩みを持っている。少子高齢化の波は、先ず日本のもっとも日本らしい世界を直撃している。文楽は世襲ではないそうですが、なおさらのこと、優秀な人材の確保はどのようにしているのでしょうか。30数名で守っている技術・・・ううむ、もっと脚光を浴びてよいはずなのに。・・・って、私、なんだか、はまりそうで怖いな。実は、ベトナムはハノイで、ホーおじさん発案の水上人形劇を見てから、1年くらい頭の中を人形が踊っていたものなぁ。あ、ハノイに行く機会があれば、是非是非、見てください。侮れません! それにしても文楽は・・・凄いものではないか!家の親は、子供たちにこれを見せずに、一体なんとしたことか!(><;後で聞けば、母は通っていた頃があるというじゃないか。ぬぬ。 解散。半蔵門駅まで徒歩5分。途中のカフェ・ベローチェでお茶をする。店の前のマンションの1階に、大きく赤く、「湯」と書いてあった。「へ~!こんなところに銭湯?」と注目していたら、今朝、ニュースでまさにその銭湯が出てきた。 なんでも東京シティ・マラソンの出場者抽選が終わった頃から、この銭湯で着替えてから皇居周辺をジョギングし、お風呂に入って帰るサラリーマンが急増し、いまや大繁盛でロッカーを増設したとか!え~、出場する同僚にも教えてあげなくちゃ!通えば、マラソン出場者同志でお友達もできそうね。(^^) 安達原を見たからじゃないけれど、社中が一緒の安達さんのお家、あだちこうげいさんが、有楽町交通会館での「浜美会」(着物の展示会)に参加されていて、ご案内を貰っていたので寄ることにする。一緒にいたお仲間も一緒に、目の保養と伝統工芸のお勉強に~♪ いろんな技法を教えていただき、本物に触ったり、試着したりきいるのは本当にありがたい。触れてみなければ分りようのない、「この世の素晴らしさ」は多い。ケーキをご馳走になり、ようやく家路につく。昨日から文化と芸術のシャワーを浴びているけど、少しは体に沁み込んでくれたかしら?
by soukou-suzuki
| 2007-02-12 02:26
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