オランジェリー美術館

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遡り五日のこと。
六年間の改修休業を経て、昨年グランドオープンしたオランジェリー美術館へ行った。過去2回のパリ訪問ではその機会を得なかったので、実は私も初めて!
何度も歩いたチュイルリー公園内にある。行きはメトロでコンコルド駅へ。
12時30分~19時00分までという会館時間は珍しい。朝、ゆっくりして出掛けられる。
モネの睡蓮は楕円形の2部屋に4枚ずつ飾られ、長い絵で幅12メートルあり、絵の前を行き交う人もまた景色の一部となって絵に変化と動きを与えている。そして長いベンチに腰をおろして眺めれば、雲のいたずらで天井の自然光が時々に絵の表情を変え、モネのユートピアに流れた時の移ろいまでも私たちに与えてくれる。
地下におびただしい数のコレクションを保持しながらも、このモネの睡蓮の2部屋を『美術館の心臓部』と呼ぶプライド。
もてなしのために、時間を惜しみなく使い、空間を限定し、光を巧みに使うことは自然に逆らわないこととわきまえ、徹底的に無駄を省く様は、茶室の室礼に通じますね!?(^-^)
フラッシュを使わなければ写真撮影が自由なのはオルセーと同じ。みな、ジヴェルニーのモネの庭にいるかのようにさり気なく記念撮影している。寄って読むべき説明書きもいっさいないから、広い部屋に散らばった人はまばらでちっとも気にならない。しばらく待てば、12メートルの池の景色を独り占めも可能なのです。でも、独り占めより誰かと手をつないで歩きたい景色かも。(*^_^*)(ルーブルは部屋により撮影を禁止するから、統制がとれずに騒ぎになる。でも全面禁止はやっぱり淋しいから我慢、我慢)
もとはオレンジを育てるいわば温室だったからオランジェリー。宮殿も、駅舎も、温室も、大きな建物をみんな美術館にしちゃうフランスの感覚は見習うべきか否か!?
物は、殊更に集めなくても、受け入れ場所があればすぐに増える‥‥、ということ(事実じゃないですか?)をよ~く知っている国民性なのかな。
by soukou-suzuki | 2007-01-07 09:52 | かわいい妻には旅をさせろ
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