貝合わせ落雁「邂逅」の記。

披露宴の引き出物に、手作り落雁1300個を打たせていただきました。(勝手ながら)
落雁は初めて。師匠が必要です。
神楽坂梅花亭の井上豪さんに相談して工房まで貸していただきました。感謝。m(__)m
もう一つは、木型です。
両国とし田さんの先代が遺愛の蛤の木型を拝借することができたお陰で夢がまたひとつ実現いたしました。
これは、披露宴を終えて、梅花亭の井上さんと一緒に、両国とし田さんへ木型を返しに行った際の記念撮影。
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以下は、井上さんの工房での製作風景。
真夏の落雁打ちは、その心持ちが、なにやらボクサーめいていました。(笑)
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二日間、指紋がなくなるかと心配したり、血豆になったら打てないから、だましだまし、指を代えながら…。人指し指は、バネ指ななりかけました。
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井上さんに見せていただいた、ご本に紹介されている、先代とし田さんのお姿。
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打ち終えて感涙を湛えた姿!\(^-^)/
終始お優しい井上先生と。
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砂浜のように白いサラサラが落雁になるのが不思議。ここにタイミングとわずかな水分と、力による作用が加わり、砂浜から貝殻が生まれでます!
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すこし戻り、材料の調合風景。
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最初の一回は先生が見本を見せてくれました。美しい手さばき。
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静かだけど、気合いと力がこもる感じ。
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これくらいになるまで、ギュッ!ギュッ!ギュッ!ギュッ!…ふう。
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なんと、やっとなんとかまとまったタネを、今度は裏漉し!
これが…なかなか…網目を落ちない。
ふう、ふう、ふう。
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落雁には、「楽」の文字がつかないことを体感しました。打つ、という段階まつでの道のり、長いこと!(^-^;
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最初の調合分で百個の落雁ができた段階で、誂え箱を10個入りの箱にしたことを悔やみました。(笑)
せめて5個入り、いや8個入りにしておけぱ…。しかし、箱はオーダーメイド、もはや帰る道はありません。
あと十回、繰り返すのみです…西日が哀愁を色濃くします。
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修行ゾーンに入ると黙々粛々、水を得た魚が…(笑)
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気合いではなく、必要十分な力を込めたときだけ美しくなる二枚貝。一度に22個打てる素晴らしい木型。
このプロの木型がなければ不可能でした。道具は使えば減ります。僅かずつですが、大切な木型の命をすり減らしながら、白い貝が生まれてくるのですね…。
作りながら、有り難くて、でも辛くて(笑)泣けそうになりました。
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まだギザギサのあるホヤホヤの貝たち。
型からコロリと外す際にも、できるだけ優しく…崩したくなくて…。
一粒も無駄にできません…富士山登頂中に帽子を飛ばされ下るようなものです。
あまりに高い目標値を掲げました。(笑)
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これからもう一打ちか…(;´д`)
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突っ張る背中をなだめていると、井上先生、なんと工房で呈茶のご準備!癒されます。(涙)
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水羊羮の艶を見ていたら、真塗りか、夜の湖面を見ているように吸い込まれて、過去の音や温度が脳裏を過りました。
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お茶を始めてから、少しずつ骨董を集めたりして、工房でも点茶の習慣。
お爺様が使っていた胡麻竹の茶杓を使ってくださいました。(^-^)また少し仲良くなれました。
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ほっとして、また頑張れそう!
お茶は凄い♪
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ついに1300個。本当はこの日にはできず、後日井上先生に助けていただきました。
喜びつかのま。まだ箱詰めがあります。
(^-^;
京都からは誂えた箱が120個、来ました。カードを印刷し、切り、銀色のゴムを120本、切り揃えて結びました。
いよいよ、箱詰め(大詰め?)です。
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しかし、この作業がなかなか…またしても作業単位が120から1300に戻るのです。
分刻みで待っていたゴールを秒刻みで数え直している気分。(*_*)
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ひとつ、完成。
あと119箱。
披露宴まであと、一日半。(笑)
by soukou-suzuki | 2013-09-12 01:08 | 学びの函
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