定点観測 第三話

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ヒヤシンスの歯が伸び、厳しく覆われていた御簾、几帳の中から、扇に隠れ恥ずかしそうにしつつも、存在感ある花芽が現れました。
白くしなやかそうな根は、さらに爪先を伸ばして未知の領域を探っています。

この花を見ながら堪えた耳の痛みは、今は引いています。
力強い芽をぐんぐん伸ばす背筋の勢いと無心さに、慰められた夜を思いだします。
夜半の耳鳴りはヒヤシンスの伸びる音かと疑いました。
by soukou-suzuki | 2012-02-09 00:08 | Hikari NOW!
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