ある日、突然に。

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それはある日、突然に見えてしまった。

寝室の壁面に作りつけたクローゼットの白い引き戸。
着物を掛けるために私が届く目一杯の高さにビスを二本、リフォームする際にお願いして付けておいてもらった。

たまたまそこにハンガーが掛かりっぱなしになっていた晩。

ふと目覚めて何気なく見た壁に、突如、視線を感じた。

そこに、大きな顔があり、恍惚とこちらを見ている。

子供のころ、天井の染みや木目の中に、突如こちらを見ている顔を見つけた…。

大人になるとこれらの顔や視線に鈍感になるものだ。
だが私は今もときおり、大小様々な顔に出くわすことがある。

おにぎりの中の枝豆の並びの中に、つぶらな緑色の眼をした小動物に出逢い、シンクが弾いた水滴の中に笑う顔がいたり、味噌汁の具が突然私に微笑みかけていたりする。

私の目には好感度フェイスキャッチがつ射ている。
by soukou-suzuki | 2012-01-28 02:58 | Hikari NOW!
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