部屋住みの・・・

時代劇でよく「いまだ部屋住みの身」なんていいますけど、居候というか、パラサイトしている家付き息子のことを言うのでしょうね。

今の私は15年ぶりの「部屋住み」の身でございます。
自分の家と言っていいのかいけないのか…。

父が亡くなった前後です、結婚で姉と私が実家を出るとすぐ、私と姉の部屋だった場所は稽古場に改装され、家具を一つも置かない畳の部屋になりました。
押入れは全て茶道具の収納スペースに変わり、幼稚園のころに描いた両親の絵や桜型のハンコで「よくできました」と書いてある成績表。バトミントン、バレーボール、弁論大会の賞状や楯、道着に黒帯、後輩らの寄せ書きの色紙や、単行本、着物、生い立ちのアルバムまで、個人のものは全て丸っと婚家先に送られてきましたっけ・・・。

嫁ぐにあたり、故郷から身いつけてきたものは全て、下着までも、国境で捨てさせられたマリーアントワネットもさぞ淋しかったでしょうが、お国に置いて来ようと思った私の名残の品々を、全てサッパリ「着払い」で送り出されちゃった私も、当時、一抹の寂寥を隠しえないのでした。(Y_Y)

でも、帰ってくるなと言うわけではなかったのですね。ほ。

実家に帰っても自分の部屋がないかわりに、たまーに実家に泊まると、生活感の無い茶室ゆえ、純和風旅館に泊まっている気分が味わえます。

そこにもう、旅館に泊まって2週間。実家というか・・・「食客」?になったような感じの生活です。あら、昔から憧れの職業だった(正しくは職業ではない!)、「食客」。

間で2晩、京都へも滞在しましたが、次の環境が整うまで、まだしばらくこの生活が続きます。

自分のベッドもソファも恋しいですが、意外なことに、デスクとPCが恋しいです。
デスク・PCもなしには生きていけませんから、こちらも現在は居候。母のSOTEC(ノートパソ)を、母がデスクから離れたスキを狙って椅子取りゲームのように滑り込み、慣れないキーボードを叩きます。
ちょっぴりイライラしますが、母にもPCライフをお勧めしておいてヨカッタです。ネットカフェ&和風旅館な宿。女将さんは天然系ハイジで、少しだけ耳が遠い茶人で俳人です。話題には事欠かないので、逗留がながびき、しまいには竜宮城にならぬよう気をつけなくちゃ。

早く「ひかりのくに」を再建したいものです。それには障害物競争みたいな手続きの山を一つずつ、気を抜かずにこなしていくしかありません。今しばらくは「部屋住みの身」なれど、ブログを通じ、心は大国を築いています。
by soukou-suzuki | 2010-03-25 00:31 | Hikari NOW!
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