ロシア紀行14

国立歴史博物館の続き。3フロアありへとへと。でも二つとして同じモノはないから飽きない。美術館や博物館は本当に疲れる・・・足と目、この二箇所の身体的負担が大きすぎる。手荷物預かり所くらいじゃ、数世紀も前からのサービスと変らないではないか。
どうにかもう少し楽にならないか・・・博物館の次の課題は、生身の観覧者をどう持続可能に観覧させ続けるか・・・という意味での「長期的視野」にたってもらいたい。ゴルフ場のカートをちらちら思い出していた。
学芸もユニバーサル・デザインへ!
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前項で書いたように、展示品の向こうに生身の人間が見えてきたのはいいんだけど、徐々にそれらがモノをいい始める。最初はこっちが語りかけていたのに、いつの間にかあっちゃこっちゃから呼び止められるようにオーラを感じて振り返る・・・。
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とことん凝った工藝を見ると、変質的なまでのこだわりに恐ろしさを感じる。何がそこまでさせたのか?大抵の場合、それが献上された権威に対しての畏怖ととらえられる。だけどそれだけじゃないはず。職人としての挑戦や悦びがそこには在る。人は誰も、自分にしかできないことを求めて、何処までもあくなき追求が出来るエクストリームな生き物なのでしょう。その、一歩だけ狂気に近い自己陶酔が、モノにしっかり宿って、数百年も私へのメッセージを蓄えて待っている・・・。そういうオーラを持ったものたちが、自然に集められて博物館で私を待っている・・・。そう思うと空恐ろしい。モノの引力に吸い寄せられ、突き動かされ、食べるモノや着るモノを諦めながら、己が労働の対価をなげうって、モノの怨霊に操られて旅を繰り返しちゃう私・・・(^^;なんちゃって。(凄い言い訳考えるなぁ、私も)
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ほら、ね。物凄~く、モノ言っているでしょう?私なんか操られちゃって、撮影料払って、さらにブログで発信しちゃてる。怨念じゃ~、祟りじゃ~!「う!旅が、旅が切れてきたぁ~・・・」なんて苦しむようになってきちゃたし・・・。
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by soukou-suzuki | 2009-08-03 22:01 | かわいい妻には旅をさせろ
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