ロシア紀行8

クレムリンへ入場する(観光用)入り口は2つ。トリツカヤ搭(クタフィア搭から)と、ボロビツカヤ搭。赤の広場から近いメインとなるクタフィアから入場したが、チケットブースで20分、搭の門でのセキュリティーチェックで40分、ゆうに1時間は入場するのにかかった。
ロシアの日は永いが、炎天下での列で過ごす時間がいくら永くても、旅の充実にはならない。(・・・しかし、不思議と思い出となって記憶には残る。旅の不快は後の愉快!?この構図がなければ、もっと旅に「飽きる」ことができるだろうに・・・)
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ウスペンスキー大聖堂。クレムリンの中心。ロシアの国教大聖堂で、ロシア皇帝の戴冠式が行われた聖堂。地震で倒壊後、古都ウラジーミルのウスペンスキー大聖堂を模範に再建。約1000人の僧侶がイコン製作に当ったとか。12世紀のゲオルギー像と、13、4世紀の聖三位一体像が有名で、中は人だかり。
ときおり現れては、一曲だけ聖歌隊が歌う。尖塔の上へ伸びる高音と、足下の石の床を伝って響いてくる低音とに体が痺れる。共鳴して自分も音を発しそうになる。人間ってそういう装置らしい。
聖堂で聞く賛美歌には、確かに何かが宿っていると思う・・・。それが神か、それを信じる人間の意志か、もっと大きな生命の波動か、もしかしたら宇宙の営みか・・・それらは結局、一つのものかも知れないけど。
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クレムリンは城壁に囲まれた周囲22356メートルの広場に、宮殿、聖堂、武器庫が集約されている。コンパクトに密集していそうで、中に入ると以外にだだっぴろく感じる。聖堂広場に、聖堂、鐘楼が林立しているから、つい下からあおって広角レンズに頼って撮るから、どれもふんぞりかえった白い服のおじさんが微妙に違う帽子を被っているようなアングルになって、後でみても傑作は皆無。(旅行中、建築物の撮影はそれほど燃えない・・・どれも撮られたい角度があって、たいてい、絵葉書に収められているし、天候や季節も絵葉書に優る条件はない。対象は動かないし、機材のよいものが大体勝つに決まっている。もっとも、夜中や明け方など、アンコールワット遺跡やルーアンの大聖堂みたいに、刻一刻と変化する姿を持つ建物は別だけど・・・真っ白すぎて、やや単調なロシア正教の寺院。それでも、このブラゴヴェシチェンスキー聖堂は、かなりシャッターを押していたことが後からわかる。先入観なく満遍なく見ているつもりでも、シャッターは正直!)
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と思ったら、イワン大帝が自身の礼拝のために建てさせた、モスクワとプスコーフの名匠によるものだと。他はイタリア人による聖堂らしい。「気合」って何にでも出るし、その時だけでなく、歴史を経ても残るから凄い!(モノづくりの人にとっては、「恐い」かな・・・)
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ディテールが表千家風(笑)。
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by soukou-suzuki | 2009-07-28 01:47 | かわいい妻には旅をさせろ
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