おみくじセッション!?

おみくじネタをもう一つ・・・。トラディショナルなところで引いたのですが、友人と一緒に引きました。その2枚のおみくじの「関連性」が面白かった一例です。
おみくじも、「一緒に」が面白いのですね~!(^^)


おみくじセッション!?_c0049825_217323.jpg◆七番(凶後吉)

むば玉の くらき闇路にまよふなり
      われにかさなん 三つのともしび

このみさとしは、今は深夜の道中に灯し火が消えたような有様である、これまでの身の行いによっていろいろの禍いがむくいて来ているからである。心を新しくしてひたすらに祈るがよい。いづれ幸福がある。

◆二番(大大吉)

おみくじセッション!?_c0049825_219534.jpgわれたのむ 人の願いを照らすとて
     うきよに残る みつのともしび

このみさとしは、所願成就福徳円満の兆である。
ただし法外の欲望を起すと、すべての財宝を失い、不幸の底に沈むことあり。信仰をもっぱらとし、施しを怠るな。

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おみくじの本意は、「希望をもたせ」「戒める」ことです。次に、小さな「決断を促進」することでしょうか。
一枚の紙の中で、ストーリー展開を「凶→吉」として希望をもたせたり、「吉→気をつけよ」と最後を戒めでくくったり、まるでコース料理のように人の心の喜怒哀楽を一巡りさせて、さまざまな心のヒダに、希望と戒めを刻み付けます。コツは、本質しか言わないこと、でしょう。どんな場面でも通用するのは、本質、それだけです。
また、アミューズでちょっぴり喜ばせたり、お口直しのシャーベットでほっとさせたり、リズムに変化をもたせることで、どちらにしてもいずれ決めようと思っていた些細なできごとを、境内において「えい!決めた!」と小さく決断させる効果があります。

決断を促したり、希望を与えたり、戒めたり・・・つまり市民生活における人心の管理・運営ですね。これが、神社仏閣に代表される宗教の主な「日常業務」なのだと思います。
どんな人がどんな場面で引いても、あたっている部分と、思ってもいなかったドキ!という場所を用意しておく。それは、裏返せば、「本質とは、いつも忘れがちになる自分の心の鏡」なのだということです。そこに気づかせてくれるのが、私がおみくじが好きな理由です。

さて、このおみくじを「誰かと一緒に引く」ことの面白さは、茶道具の取り合わせにあい通じる「妙」という楽しみでしょう。「符合」という面白みともいいます。

当人にとっての「戒め」部分は、他人から見れば、引いた人への「天からの辛口批判」ですから、そこが「痛快」であり、引いた当人にとっては「滑稽味」になります。
上記のおみくじを引いた時は、片方が「暗闇に迷っていて、三つの灯火(ともしび)を貸してくれよ~!」と言っているのに対して、他方が「我を頼みにしている人のために、浮世に三つの灯火を残してあげましょう!」と施している関係があります。なかなか妙なる組み合わせだと思います。
さらに、「いづれ幸福が来る」としめくくられている迷える子羊に対し、大大吉の方へは、「法外な欲望」を戒め、念入りなことに「施しを怠るな!」と、七番の仕合せは、二番への施しナシにはありえないように、2枚を「共依存」の関係で締めくくっています。(^^;;;

こうなると、おみくじも新内節の掛け合いのようであり、ジャズのセッションのようであり、協奏曲を成してくると思いません!?そして、おみくじを一緒に引いたことが、一つの絆にもなりますね・・・。こういうのも、人同士の縁を結ぶので、宗教の一つの役割なのでしょう。
by soukou-suzuki | 2009-02-24 01:40 | よしなしごと
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