バーチカルブラインドを縫って光が差し込む白い部屋。壁も床もソファも白いから、ウンベラータやクッションや青いガラスや黄色いガーベラがぱっとこちらに挨拶してくる感じ。
10年以上前かな・・・ロサンジェルスのモンドリアン・ホテルに泊まった。部屋が真っ白で、花は胡蝶蘭、バスローブもスリッパもシーツもクッションも食器も蝋燭も照明も白・・・。僅かにカーペットがグレッシュで、椅子の木枠やテーブルがペパーミントグリーンだから、ルノアールの絵みたいに、色づいた影が部屋に立体感を出している。スタジオタイプのキッチンに背の高いテーブルがあって、その上に本物の真っ赤な林檎が1個、いました。置かれていたのじゃなく、林檎が「居た!」という感じ。スポットライトを浴びているみたいだった。
白い部屋は、白い色が好きだからじゃない、いろんな色が好きだから、映えるように白くしてくのです。飾らないと、真っ白になって飲み込まれそうになる。生活に追われて色彩を見失うと、時々白い時ができちゃう。