ジャックマール・アンドレ美術館

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パリ通、パリっ子たちから勧められる美術館に、ジャックマール・アンドレ美術館がある。若くして莫大な富を相続した銀行家は国立美術館と同等以上の年間予算を使って美術品の収集を行った。自分の肖像画を描いた女性と10年後に結婚。妻が強力なパートナーとなる。夫婦はイタリア旅行による買い付けやオークションを通じて収集を続けた。マルゼルブ通りに一際目立つこの館に改築を続け、コレクションを保管するのに最適な環境を整えながら、舞踏会を盛大に催し、1000人を超える文化芸術を愛する客をもてなした。夫の死後、未亡人にライフ・ワークを継続するよう激励したのはルーブル美術館などの学芸員だったという。彼らはルーブル美術館の収集を邪魔せず、むしろ予算の不足を補い、フランス国家に貢献した。彼らの足跡と当時のブルジョワジーに浸りながら美術館を鑑賞できる意味で、確かに心に残る場所かも知れない。
舞踏会にお呼ばれたした客人の馬車が渋滞しないよう、屋敷の中へ馬車を引き込み、反対側から出すランアバウト形式になっており、今でこそホテルの入り口はじめ車寄せはスタンダードながら、当時としては画期的だったよう。建築家という職人と、使い手側の数寄者から生まれたアメイジングだったのでしょう。水圧で部屋の壁を上下して、用途に応じて部屋を拡張できる。空間を用途に応じて変化させたいという欲望は日本人として親しみを感じる感覚。
美術館内は撮影禁止。わずかに館内のカフェでの写真を送ります。カフェのみの使用も可能。今日のランチが13ユーロ、ケーキ類が美味しく5ユーロ~。大型暖炉に胸像の飾られた目の前の席にて遅い昼食とお茶をし、二時間程度館内を鑑賞した。入場は9.5ユーロと高めだが、オーディオガイド付きで特別展も含む。お薦めの意味は非常によくわかる美術館でした。帰りも自宅まで歩けるのも幸せ。(*^_^*)
by soukou-suzuki | 2007-01-02 19:04 | かわいい妻には旅をさせろ
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