サロメを観てきました

吉森が長年、似顔絵年賀状を作成させていただいている、女優岩崎有子さんにお招きいただき、オスカー・ワイルド原作、抱晴彦演出の「サロメ」を観てきました。
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休憩なしの90分。
昔、オペラで観た時は、20代前半で、理解できず(笑)深い味わいまで到達できませんでしたが、人物を絞った今日の演出で、各人の想いがズシンと胸に入りました。
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人間の性(さが)
その終わりなき炎は自らを焼いてしまうことは、それは不幸か、至福なのか、それが人間らしさなのか、人でなしなのか、千年を経ても結論は出ていない
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確かなのは、王の権力より、神の審判より、自分の心の囚われ(欲や罪の意識や恋も)こそが、自分自信を強く支配し、行動に駆り立てていくという事…
時代を問わず繰り返される真実です

内面の葛藤はいつか放出されます
心の片鱗をちぎって人へ投げつけることができるかのような、「言葉」の持つ魔力も、恐く美しい新たな「惑い」を生み出し、ドミノ倒しに人の心が押し倒され、波動は広がります…

ヘロデの享楽とコンプレックス、サロメの貪欲なる純真…それは他人事でなく、誰しもが持つ性だと感じさせてくれる、舞台人の皆様はすごい。
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禅語を裏側から見た気持ちです。
茶人にも響く物語ですね(^_^;)
隣で打ちのめされていました…
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おりしも、行き帰りの電車で読んでいるのが道教「老子」。
ミスマッチなようで表裏にピタリと修まるような気がしました。

サロメ、明日の二回で終わってしまいますが、時間合えば是非に。(*´∀`*)
by soukou-suzuki | 2015-08-21 18:48
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