震度5に思う

東京が大きく揺れた時、私は東京ドームホテルの天空の間(地下なのに?)にいました。
一泊二日で茶道関係のサマーコンファレンスに参加中で、おりしも裏千家第十六代家元、坐忘斎宗匠が壇上で話をされている最中でした。
机上に置かれた水は激しく波立ち、お家元の頭上に八機のスポットライトがぐらぐら揺れ動くさまは恐怖を煽りましたが、当の家元は顔色一つ変えずに悠然と話を続けられ、その身を案じて家元の頭上を見やる人たちを冗談を交えて諫める場面もあり、私も倣おうと心で服紗捌きの三千世界を抱きました。

(表現がちょっとマニアックですね。補足します。お茶のお手前では、袱紗(ふくさ)という絹のお雑巾で、お茶道具を清めるのですが、その前に、三角に折った袱紗の両端を持って膝前に掲げて留める瞬間があります。この時に、「大木を抱くように」または、仏教界のいう「大千世界、中千世界、小千世界を合わせた三千世界、宇宙の全てを両腕の中に抱く気持ちで構える・・」と教えられるのです。その一瞬ですが、大きな気持ちになることで、その後のお手前へ入っていく気持ちを整える訳です。)

お陰さまですっかり平常心で過ごした地震でしたが、コンファレンスのお開き後に、再び家や家族が気になり、夫の携帯や上野毛の実家にかけてみたら、まだ繋がらないほど回線が込んでいたようで、その時になって改めて焦りました。買ったばかりの自宅マンションに亀裂でも入っていたら・・・と一気に現実の世界へ舞い戻りましたが、実家、自宅ともにモノ一つ倒れなかったそうです。ほ。
古い実家のマンションのエレベーターも止まらなかったのに、十分新しいと思ったドームホテルのエレベーターは長時間停止したようです。職場も止まったようです。
自宅マンションは最近の機種とかで影響なかったらしい。
千葉の友人宅では棚のモノがかなり倒れていたらしく、地震発生時に独り在宅中だった猫は恐怖だったろうと同情しました。
by soukou-suzuki | 2005-08-02 11:47 | Hikari NOW!
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