救急蓋置。

四季のように、発見と感動の日もある一方、胸が軋むような反省と悔恨の日もある。
この紅白の救急車を見るたびに、私の心は出初め式の晴れやかさと、冷や汗三が、ないまぜとなった妙なる脳内モルヒネを分泌する。
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茶会の忘れ物は数々潜り抜けてきた。
失敗は工夫と感謝の種でもある。記憶を鮮やかにして、エピソードと特定の物や人を、忘れ得ぬ映像で心に刻印する。

しかし、ビッグサイトで蓋置がない今回は、水屋に代替になるものも見当たらず、もうダメ(+_+)かと血が引いた。
平静を装い、隣のブースであらゆる土産物を手に取り、中からこの二台の救急車を掴んで、子供たちと先を争うように並んで購入した。
裁縫セットから紅白の糸を探し、二台を合体超合金!して、正月らしいめでたさも漂う蓋置に変身。
出初の一日、柄杓と釜の蓋を支え続けてくれただけでなく、子供たちの視線もお手前座に釘付けにしてくれた。
また、子供だけでなく、消防ファンの一眼レフカメラの500ミリ望遠レンズが狙う先も、常にピタリとこの「救急蓋置」だった。
まさにレスキュー、私の脳ミソも鎮火され、意気揚々と茶の出初めとなった。
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だが、客に誉められれば誉められるほど、仲間が話題にすればするほど、
冷や汗と反省が津波になり襲っていた。
それでいいのだ。
大反省して、今から来年の出初め式茶会に備えればいい。(いつもそう思うのに…涙)
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毎年、出初め式茶会の準備は、抹茶の引き取りや花の予約も含め年内に全て整える。年始は休みが多くリスクがある。
しかし、12月は師走なだけでなく、誕生月でもあり、セレモニーやお祝いのみならず、誕生日に従う諸手続き(例えば健康診断や免許の期限)までが、イジメのように押し寄せてくる。
だからこそ紙に書き出し、指さし確認して荷造りするのに、二ヶ所の拠点から現場に持ち寄るため、荷造りは日を空けて数回に別れる。ま荷造りの間も電話は鳴るわ配達は来るわで気忙しいやら、気が散るやらで、つくづく人間ができていないと自分が残念無念になる。
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「心を込める」ことは、性格や心構えや訓練だけでは修得できない、環境問題でもあるが、環境を嘆くのは自他一如に反する。
自分の心の環境問題にも、長期的かつできるところから速やかに取り組まねばならない。
道は遥か…。
by soukou-suzuki | 2013-01-11 21:44 | 学びの函
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