立夏。

二十四節季は「穀雨」を過ぎ、「立夏」へ移りました。
と同時に、怒涛の茶会週間に一区切りがつきました。

立夏。_c0049825_1755040.jpg四月二十二日の畠山茶会「三喜会」紗那庵席には、社中同門はじめ、多くの茶友にお寄りいただきました。本当にありがとうございました。
途中、パラパラと雨が落ちて来ましたが、軒下に身を寄せて席を待ってくださるお客様には本当に有り難く、感謝でいっぱいです。たくさんのお励ましや、お水屋見舞いの美しいお菓子にため息と涙・・・。
また、社中(洗心会)だけでの水屋は、想像より遥かにスムースに、静かに、きめ細やかな泡の薄茶が運びだされてきて、じーんと感動しました。最短は今年2月入門のIさん。見事に隅炉でのお点前をこなしてくださいました。あの小さな紗那庵で、180名を越えるお客様をお迎えしました。

立夏。_c0049825_17555931.jpg同時開催だった、明治神宮の「いのちの森」野点茶会では、四月二十一日の昼から開催し、午後一杯で約60名のお客様に、森の茶会を楽しんでいただきました。
二日目は、昼に降り出した雨で、やむなく中断とのこと。
しかし二日間で80名近いお客様と、一緒に日本の森の未来を語らうひとときを持てました。
今年で3年目の「いのちの森」。新しい伝統を築いているところです。
お寄りくださったお客様、そして中沢隊長、味澤・藤平リーダー、ご協力の野点人ら、ボランティアスタッフ、いのちの森の事務局、神宮の皆様に感謝申し上げます。
ブログで見付けて長野から見えてくださった方もいらっしゃいました。感激です。

立夏。_c0049825_17575322.jpg四月三十日は、茶会ではありませんが、裏千家の東京地区の青年部研修会、関東大地ブロックによる「ブロックコンファレンス2012」レインボースピリッツが、アルカディア市ヶ谷で盛大に開催され、呈茶で参加者全員、230名の皆様と一碗いたしました。
遠方より参集くださった総本部、他ブロックの皆様、長時間おつきあいくださったご来賓の先生、先輩に心より熱く厚く御礼申し上げます。

立夏。_c0049825_17585850.jpgそして連休はざまの五月二日。
激しい雨の一日となりましたが、明治記念館の庭の新緑が洗いあげられてエメラルド色に輝く中、東京第六東支部の「支部懇親茶会」が、700名をお迎えして行われました。
私はご来賓の案内役を仰せつかっておりましたが、多くの見しった茶人と言葉を交わすことができ、支部の親先生や、青年部の手伝いメンバーとも一緒に達成感を得られ、多くを学ぶ一日となりました。

立夏。_c0049825_17594858.jpgさて、翌日から白河へ入って五月四日の「新緑茶会」の準備です。
西郷村の「這裏苑(しゃりえん)」で、4つの席をかけ、約100名のお客様をお迎えしました。
前夜の集中豪雨で警報が出る中、夜半に聞く川の轟音に恐ろしさを感じましたが、当日は未明に朝日が射し、桜散る中、朱傘の前で、晴れ着で勢ぞろいした主催スタッフ約30名での記念写真は、生涯の記念になりました。

立夏。_c0049825_1803136.jpg野点席担当としては、茶人の力量を試すような、また野点人としての覚悟を問われるような、様々に表情をかえるお空と寄りそいながら、実に、3回設営、3回撤収を繰り返しました。
しかしながら、根気強く待って下さったお客様と、本当に雨の間を縫って行った1席の、お客様の度胸と、その懐の深い「もてなされっぷり」に、全てのお客様に野点席に座っていただくことができました。
ドロドロをいとわず駆け回ってくださった黒子スタッフ、番傘を両手に掲げ持って、身動きせず弁慶のごと一席を守り通した仲間たちの姿が目に焼き付いています。

岩手や秋田、東京や埼玉からも来てくださった茶友のみなさま。さらに、ブログで見付けて郡山からお見えになった香道愛好のお三方など、お客様にも恵まれました。

立夏。_c0049825_1813123.jpg「穀雨」の間中、茶会を催し、常に天気と自分の心をはかりにかける日々を過ぎ、帰京してハッキリと周囲を取り囲む夏の気配に驚き、気づけば季節は「立夏」に移っていることに気づきました。
暦とともに、茶の湯で生きれることは幸せです。

詳しい報告は後日として、先ずは関わってくださった全ての方に、心より感謝申しげます。

松浦宗光 拝
by soukou-suzuki | 2012-05-07 17:30 | 茶味禅味俳味一味
<< 白河だるま 闇の絵巻。 >>