20101216

誕生日当日の正午ころ、パリで知り合ったマダムが麹町を訪ねてきてくれました。
あれは3年前、母と2人でモンソー公園近くのアパルトマンを借りて2週間半の年越し旅行をしました。ヴィリエの駅前でランチしたのが昔のよう。あれからの3年に激変はあったものの、会えばすぐさま意気投合するのが茶友のいいところ。
ランチを終えて我が家で珈琲を飲みました。ようこそ。ひかりの国へ。

彼女を送りだしてさて着物に…と思うと、携帯が鳴って、銘酒「二重橋」を届けてくださるS氏。風呂敷包みの一升瓶に神々しさがあります。いやはや、大吟醸の一升、さてどうしよう!?皇居の中でしか買えない逸品です。

そこへ母からのメール。「お誕生日おめでとう」かと思いきや、「別荘費用を振り込んで!」という用件。苦笑。

箪笥から白い縞の紬を出して、しつけ糸を取りました。母が裏を深いグレーに直してくれたので、プレゼントがないようなので感謝するためにこの着物をおろしてみました。(爆)
染めの帯には、黒い蝶の模様。誕生日は父の命日とセットでやってきますので。
帯揚げ、帯締めを紫にしました。派手さより、神聖な気持ちで迎えた今年の誕生日でした。

今日は寒く空気が澄み、清水谷の照り葉が目に沁みます。朱、黄、緋色、金茶。
いつもより一段、丁寧に畳を拭きながら、一年の稽古を振り返り、この「場」に感謝。

今日は今年の稽古納めで、ほぼ皆出席の満員御礼でした。
師走のあわただしいスケジュールの中で、稽古の時間を確保してきてくださる皆様には本当に感謝しております。せめてもと一生懸命、務めます。
独立初年の誕生日は、稽古納めというのもちょっとよい取り合わせだなと自己満足。
お菓子は鶴屋八幡の「蝋梅」。先週のゼミで茶通箱の点前(詰)をしたときがこれでした。緊張の水屋でいただいたのに、しっとり甘く、小豆の歯ごたえもしゃきっとしました。
小峯さん神田さんはお着物で。いつもよりじっくり、ゆったりと、忙中閑在な薄点前をしっかりやりました。
忙しい時期だからこそ、心を落ち着けて周囲を観察するゆとりが欲しいですね。

床の間は「無事」。
大徳寺泰道和尚。数年前、青年部の部長任期中の師走に、京都大徳寺を訪れた際に求めました。
無事。好い事があれこれ起きるのが好いのではなく、無事こそ尊い…。アメリカ的ポジティブに社会で慣らされてきた私には新鮮でした。またこれを掛ける時期に。

お花は……、「誕生日プレゼントに」と、吉森さんが床の間に花を生けにきてくださいました。
秋グミ、宿り木、加茂本阿弥(椿)の3種を、田中信彦造の白地に赤の花入れ、大滝正明造の小さな薄板に据えて。
秋グミは、果実も肉厚の葉も、霜が下りたように白濁して冬模様です。小さな丸い葉っぱは美味しいのか、ところどころの葉の虫食い部分が、レースの襟ように葉脈を見せているのが冬寂。
宿り木は、枝の先端に、左右に水平に開いた棒状の葉が、タケコプターにそっくり。葉の間に黄色い半透明の、こちらもグミのような果実が1つないし2つついている。蝋梅のような透き通る黄色。
白い椿のほっこりした蕾は、加茂本阿弥。一重抱え咲き。大筒蕊、大輪。蕾の先端に三頭裂の蕊が見えている、これが特徴だそうです。

花入れのまま持ち帰り、リビングに飾りました。

お稽古場では、新入門の3名が、立ち居振る舞い、お辞儀の真・行・草、袱紗捌き、襖の開け閉め、席入り、お茶の頂き方、拝見の仕方…とさかんです。上座に座っていられません。
汗をかいて稽古を終えると、青年部の仲間の木村さんが、陣中見舞いに行ってよいかと電話。なんと、ロブションのスイーツをプレゼントにくださり、こちらのお返しはお干菓子での薄茶一服でお恥ずかしい・・・(^^;

稽古場をかたして帰ろうとすると、お弟子さんたちがオ・バカナル(お迎えのブラスリー)で軽く乾杯しませんか?というのでいそいそ行きましたら、テーブルの用意がされていて、オレンジに輝く花束が置いてありました。(YY)よく冷えたポメリの泡が、私の気持ちさながらに、シャンパンフルートの細い道を駆け上っていきます。

同い年(羊年)の岩見さんからは、もこもこ羊のいっぱい書いてあるリネンをプレゼントされ、もうなんだか、冥利につきてしまいます。

車で送ってもらって帰宅。着物を脱ごうと鏡を見て、もう一度母の着物に感謝し、父の命日を思い出して合掌。
花を花瓶へ移し、「この日のディナーに」といただいた2時間煮込んだ手作り大根入りビーフシチューに涙しながら、さらに夜は更け、日付がかわるまで続く誕生日メールの言葉に、くすっとか、ふんわりとか、じわーんとか、とにかくありがたくて、なんだか嬉しくて・・・・・・もう、こうなったら「幾つ年を取っても構うもんか!」と意味のない割り切りとなりました。

この日に生まれたことが目出たい訳じゃなく、生まれたことのおめでたさをしっかり思い出す日です。生きてるってスバラシイ。

翌朝、クール宅急便で、若狭のぐじが一匹、塩釜でとどきました!こんな気の利いた誕生日プレゼントって…よほどの呑み助に違いありません!でした。(^^)川越のけんさま深謝です。


シュワシュワシャンパン、とろとろシチュー、じわじわグジーの写真はあとから載せますね!
by soukou-suzuki | 2010-12-17 14:47 | Hikari NOW!
<< 夜景丸の内 何度目の… >>