妖精の忘れ物


今年最後の明治神宮の日本文化紹介の茶会を無事終えました。
隔雲亭の周辺は今を盛りと紅葉が見事です。晴れ渡る池に梢から降る木の葉時雨が黄金色に輝く様に見とれ、しばらく身動きできないエクスタシーを得ました。それは瞬間的でありながら永遠性を秘めていました。
その刹那をともにした人を、「ともに生きた」と表現することは何も間違っていないと感じました。

アメリカ、カナダ、オーストラリア、ドイツ、台湾、フィンランド…今日も各国からの客人と、三度の一座建立、一期一会を生きました。
仲間も初めての取り合わせ、道具も初めてで二度と同じことはない取り合わせ、花に至れば好日の茶室を飾る使命と引き換えに、我が命を投げだしながら惜しみ無く美しく輝いていました。

妖精の忘れ物_c0049825_12173288.jpg妖精吉森さんのお誕生日当日ということで、道具を干した自宅にて誕生日会。

「妖精さんHappyBirthday 350歳」
とプレートを着けたショートケーキでお祝いし、解散した後に、妖精の忘れ物を発見。「羽」ではなく、「花」でした。

白い部屋に、小さな森が宿り、神宮の御苑の紅葉村が甦りました。

各国からの笑顔を集める神宮のように、我が家も小さな笑顔の集積場所に育ちつつあります。
神宮は今年、鎮座90周年。
私も松の浦に「閑座」して次期に一周年を迎えます。
一年前、「来年の御題は光です」と思うことが、どれほど自分を勇気つけ、誇らしく感じたでしょう。
来年の御題は「葉」です。
それが今日、新鮮に胸に響きました。

床の間は「千峰紅葉村」、有馬頼底相国寺管長の筆でした。
千の峰を、見渡す村全体までを美しくする力が、「葉」にはあるのですね。

気づくために人は生きています。
今日をしっかり、生かされて生きました。
by soukou-suzuki | 2010-11-28 23:46 | Hikari NOW!
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