御影水道の晩夏を想う…

御代田(軽井沢)の別荘に集まっている家族からいろいろメールが入ってきていた。
この地には、私も母の胎内にいるころから通っている。

御影水道の晩夏を想う…_c0049825_1750246.jpg軽井沢町と御代田町の境に、農業用水を天日で温めるための広浅の川が流れている。千ヶ滝湯川用水温水路といい農業用水路だが、「御影用水」の愛称で周囲に移住した人、または別荘を持つ住民から、景観保護運動が起きている。
ここは私の心の故郷。水辺の原風景。

同じ思いの人がたくさんいることに気付き嬉しい。何かできることはないかと、とりあえず会に一口参加した。


何年か前に私も偶然、財団会報誌の連載エッセイでその川を取り上げて書いたことがあった。
千ヶ滝からの水はあまりに冷たい。高原レタスを作るにも冷たすぎて農作物もびっくりなのです。解る、野菜の気持ち。私も何十年も「山の神様がくれたまんまの水」で食器を洗わされた。少し溜めておいた水が優しく温かく感じた。

そこで農作物のために、平らに広く造られた人口の川底。ゆっくり流して太陽にさらす。

川が自分を温めるから、ひなたぼっこする川、「ぼこちゃん川」と文中で呼んでいる。

一方近年、写真家の遠山氏夫妻も西麻布からこの地に移り住み、ZIGZAG(ジグザグ)というフォトギャラリーを開設して、我が家の散歩スポットとして定番化してきた。
ご夫婦でのアメリカ旅の写真は大陸ならではのソウルを伝えてくれる。すぐに旅の話に花が咲いた最初の日…。
遠山氏は裏千家の淡交社が出す月刊誌「なごみ」の表紙写真も長年手掛けた茶縁ある方。

春ころジグザグから便りがきた際に私の以前のエッセイを送ったら、この夏も御代田に「帰省?」している母や姉からこんなメールがきた。

「ようやくジグザグに行きました。(^_-)
ひかりさんのお母様ですね。とか、ひかりさんは何時見えますか?とか…今年はポストシリーズ。益々面白いわ」


「今日ばあちゃんとフォトギャラリージグザグに行って来たんだけど、そこの奥さんが、ひかりのエッセイをいたく気に入ってくれて、一人で楽しむのはもったいないからと、温水路の管理者に見せたんだって。(^.^)
そこでも評判良くて、その辺のおうちの皆さんにも評判良くて、コピー欲しいって言われて、許可も取らずにコピーしちゃいました〜、って!
ひかりさんのファンがたくさんいるのよ〜、って言ってました。
よかったね〜。(^_-)」

なんだか二人が嬉しそうでこちらも嬉しいわ。
ジグザグの遠山さん、今年は秋口になりそうですが、お邪魔いたしますね。
また旅の話、いたしましょう。
私の「ひなたぼこ川」の水辺で野点茶会はいかがですか?

もう蜩がカナカナカナカナ…と歌っているかしら。もうそれもすぎて薄野かしら。

晩夏の御代田は、新たなバルビゾン派を生む磁場を持っている。私はそう確信している。
スケッチブックと絵の具を持って川に通った幼い日…、あ〜、御代田に「帰り」たい。

<景色>
by soukou-suzuki | 2010-08-17 01:57 | Hikari NOW!
<< 広島に原爆を落とす日 由緒も、野趣もごちそうです(^^) >>