御代田の家に迷い犬がやってきた。
かなり長いこと雨の中、庭をうろうろして、しばらくして気づいたら勝手口のガラス扉からじぃっと覗いていた。
ドアを開けると切なそうに擦り寄ってくる。
あれあれ…困ったな。縄を切ってきちゃったみたい。おとなしい、一声も発しないいい子。
周くんと二人で仕方なしに飼い主探しに出る。
ロードムービーの始まる予感?だんだん息の合ってきた二人をぱちり!なかなかお似合い。
ご近所に聞いて回ると、『教会の下のおうちじゃないかしら?いつも玄関先につないでますよ』と。よかった!
行ってみると、すでにワンコが寝そべっていた。
が〜ん。
またロードムービーが続く。
雨の中、さ迷い歩く…。
警察、合同庁舎、保健所と連絡。しばらくあずかれと言われるが、軒下がない。
もう少し探す。
ある家が、ゴールデンの老犬を家の中に入れて飼っているから、小屋が空いてるという。
すぐに水で洗って水を飲ませ、『ブルブルしなさい』と促すとブルブルッ!とする。小屋に入った。
安心して帰宅する。
保健所もひとまず安心する。
石鹸で洗った手はもう犬臭さはとれたけど、あの目が脳裏から離れない…。
家に帰り着くと、突然の夕立。激しい雷雨に胸を叩かれるたびに、
「ああ、あの子(ワンコ)に小屋があってよかった・・・」
と胸をなでおろす。
ご飯を食べては、
「ああ、あの子もあのお家でならご飯にありついているに違いない」
と胸をなでおろす。
今日は疲れた。しばらく疲れるだろうな・・・。